「もっと簡潔に説明したほうがいいよ」
会議が終わった後、上司や先輩から、こう指摘されたことはないでしょうか。
説明の仕方を指摘されると、会議だけでなく普段のやり取りにも自信を持てなくなり、仕事に支障をきたすこともあります。そこで今回おすすめしたいのが、「説明力トレーニング」です。このトレーニングは、1人でも簡単に実行できます。
会議前にトレーニングすることで、自分のアイデアや提案をしっかりと伝えられるでしょう。
人に伝えることを生業としてきたコミュトレ講師陣が、19年以上自ら実践してきたことなので、効果は保証いたします。
コミュトレの費用対効果が気になる方は、こちらをご覧ください。
目次
説明力とは? 会議で重要なのは「負担をかけない伝え方」
「会議」というと幅広いですが、ほぼ全てに共通するのは自分の意見を誤解なく伝える場であること。そのため、会議で好まれる説明力とは、「聴き手に負担をかけない伝え方」を指します。
10万人のビジネスパーソンのデータをコミュトレ独自に分析した結果、「聴き手に負担をかけない伝え方」とは、具体的に以下の特徴をもつことが判明しました。
- 使う言葉が分かりやすい
- 理解しやすい構成で説明している
詳細は以下をご覧ください。
それぞれ、どのように鍛えていけばよいでしょうか?
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】使う言葉がわかりやすい
言葉がわかりにくいと、聴き手にかかる負担が大きくなります。
理解できない言葉が一つでもあると、集中が途切れてしまい、理解度や聞く気を大きく低下させてしまいます。
説明は、中学生がわかるレベルを目指してください。
難しい言葉や専門用語をどうしても使わなければいけない場合は、言葉の意味も合わせて説明すると良いでしょう。
特に、専門用語は互いの認識がズレていることがあります。注意してください。
わかりやすい構成で話す
構成が整理されていると、聴き手は情報を整理しやすいです。
反対に、思いついたまま話しているような構成では、聴き手は「今何の話をしているんだ?」と、理解するのが大変になります。
わかりやすい構成で話すには、SDS法を活用するのが良いでしょう。
SDS法とは、「概要」「詳細」「全体のまとめ」の順で構成する手法です。事実情報を説明する場面全般で、聴き手の理解を助けます。
【講師も実践!】 説明力を鍛える自主トレーニング法5選
それぞれ、以下の通りです。
- 使う言葉が分かりやすくなる「たとえば‥‥」で説明するトレーニング
- 理解しやすい構成で説明できる「構成通りに話すトレーニング」
- 具体的な数字や実例を取り入れるトレーニング
- 相手に伝わりやすい説明をする発声のトレーニング
- 自分に注目を集める非言語コミュニケーションのトレーニング
以下、順に見ていきましょう。
「たとえば‥‥」で説明するトレーニング
まずオススメなのが、「たとえば‥‥」で説明するトレーニングです。
会議では、他部署や他チームに対して、分かりやすく説明しなければいけない場面が出てきます。
その際、自分が説明したいことを、たとえ話を使って、よりやさしい言葉に置き換えて説明すると効果的です。
ここでいう「やさしい言葉」とは、相手にとって理解できる言葉のこと。
自分が説明したいことを「相手が知っている言葉」に翻訳できるようになると、難解なことを自在に説明できるようになります。
たとえば、「システム開発の工程」を「料理」でたとえると、以下のような図になります。
出典:説明上手は使っている!難しい話を面白い話に変えるメタファーの使い方
システム開発について知識がほとんどない場合、「システム開発とはまずハードウェアを揃えて、プログラミングして、テストしてから納品します」という説明では、イメージするのも難しいです。
それよりも、「システム開発とは、ひらたくいえば“食材を料理して、お出しする”という活動です」と説明される方が、圧倒的に理解しやすいのではないでしょうか。
このように、クライアントから要望を聞き出す際にも、チームで業務を行う際にも、説明力が求められます(※)。そのため、たとえ話をつかってやさしい言葉に翻訳できる人は、会議で大変重宝されます。
ただし、たとえ話はあくまでも「類推」にすぎないので、100%正確な説明をする際には向きません。あくまでも「イメージを直感的に理解してもらいたい」ときにお使いください。
しい言葉に翻訳できる人は、会議で大変重宝されるのです。
ただし、たとえ話はあくまでも「類推」にすぎないので、100%正確な説明をする際には向きません。あくまでも「イメージを直感的に理解してもらいたい」ときにお使いください。
※参考:ユニゾンキャリア|インフラエンジニアに必要なスキルや技術力とは?おすすめ資格も紹介
例え話で説明するコツ
日常生活でたとえ話を作るトレーニングといっても、特別な時間を設ける必要はありません。大切なのは、人に説明するという自覚・意識を常にもつこと。
いざ説明する機会が来てから「どうしよう」と慌てていても、例え話のネタを貯めていなければとっさに話すことはできません。それによってしどろもどろになり、評価が落ちてしまってはもったいないです。
したがって、普段から、人に何かを説明するつもりで、例え話のネタを探してみましょう。それだけで、とっさの場面で例え話が思い浮かぶようになり、大変スムーズに説明できるようになります。
【実例】講師は、たとえ話をこうやって作っています
日常生活の中で、どうやって例え話のネタを見つけるのでしょうか。
例えば弊社の講師の場合、以下の4つの情報に触れる中で、ネタに気づくことが多いです。
- 本で読んだこと
- 人から聞いたこと
- TVやネット記事で見聞きしたこと
- 実際に経験したこと
といったような情報に触れる中で、ネタに気づくことが多いです。
たとえば、うちの娘がまだ赤ちゃんだったころ、近所の公園に連れて行ったことがあったんです。そのときに、同世代くらいの子供が数人いて、お母さんの言葉に反応しながらキャッキャ笑っていたんですね。
僕は彼らの楽しそうな笑顔を見ながらふと思ったんです。「1度も笑っていない無表情の赤ちゃんっているのかな」と。言葉が使えない赤ちゃんは、表情とか声といったノンバーバル(非言語)コミュニケーションしか使えない。だから、自分の感情をお母さんに伝えるために、どんな赤ちゃんであれ、嬉しい感情のときは思いっきり笑顔をつくるんじゃないかなと。
ここで、大人も同じことがいえるんじゃないかなと思ったんです。
たまに「私は昔からずっと無表情なんです。」という方がいらっしゃるけれども、その方は生まれた瞬間からずっと表情が硬かったわけじゃない。ただ、成長する過程で、表情に頼らなくても、自分の気持ちを伝えられるようになった。だから、表情を使わなくなった。
つまり、今表情が硬い人は、センスとか才能がないんじゃなくて、ただ使ってこなかっただけだと。
こういう自分なりに考えた過程って、案外忘れないんですよね。で、お客さんとの会話の中でも自然と思い浮かぶので、エピソードを交えて話したら『なるほど』とすごく納得してくれて。
(略)
僕の仕事は、お客さんや社内の人に対して、何かしら相手に納得して動いてもらうことだから、人に伝えるというアクションが必ず発生するんですよね。
だから、常に「これは朝礼スピーチに使えるかもしれない」「これはトレーニングでお客さんに話せそうだな」っていうふうに考えていたりします。
このように、自分なりにアンテナを立てながら日常生活を過ごしていると、説明したいことを補強してくれるネタがどんどん集まるようになります。
その結果、同じことを伝えていても、ありがたいことに聴き手から「とても納得できた」と言ってもらえることが多いです。
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】
構成通りに話すトレーニング
受講生から「説得力のある説明ができない」とご相談いただくことがよくあります。
しかし、私たちの脳は一度に1つのことしかできないので、「何を話すか(内容)」と、「どんな順番で話すのか(構成)」は、同時に考えることができません。
したがって、まずは構成をととのえて、「言いたいことは分かった」という状態を目指しましょう。
「分かりやすさ」に達しないうちに説得力を目指しているため、ハードルが高くなってしまっています。
意識しなくても以下の構成で話せるようになると、とっさの場面でも余裕もてるようになります。
- テーマを伝える
- 要点を伝える
- 詳細情報を伝える
- 説明を締める
では、どうやってトレーニングしていくのか?次に解説します!
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】
説明の構成を自主トレーニングするコツ
説明の構成をトレーニングするコツは、単に「意識する」のではなく、具体的なフレーズとして覚えることです。
たとえば、「要点を言うんだ」ではなく「要点は〇点あります」というフレーズで覚えておきます。
以下、そのまま丸暗記していただきたいフレーズを図でご紹介いたします。
これらのフレーズを繰り返し使うことで、自然と「分かりやすい説明の型」が身についていきます。
なお、フレーズの中でも特に有効なのが「これから話す内容を宣言する」フレーズ。
・「要点は~」
・「具体的には~」
・「これらの期限ですが~」
これから話す内容を宣言するフレーズは、車でいうところの「ウィンカー」と同じ役割をもちます。
運転しているときに、前方の車がウィンカーを出すと「道を曲がるんだな、ちょっと減速しよう」と心の準備ができます。しかし、ウィンカーを出さずに急に曲がられてしまうと、瞬間的にさまざまな事態に対応しなければいけません。
人に説明するときも同じです。「今からこんな話をしますよ」という「ウィンカー」を出すことで、聴いている側は心の準備ができます。説明をすっと理解してくれるようになるでしょう。
「これから話す内容を宣言する」フレーズは、他にもこのようなものがあります。
・理由を伝えるとき:「なぜかというと、」・結論を伝えるとき:「結論からいうと、」・事実ではなく推測を伝えるとき:「これは私の意見ですが、」
フレーズを使って聴く体制を作れると、説明が驚くほどスムーズに進みます。
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】
具体的な数字や実例を取り入れるトレーニング
説明に数字と実例が取り入れられていると、説得力が増します。
そのため、説明力の向上には、数字や実例を取り入れるトレーニングも大切です。
反対に、「~と思う」のようなあいまいな表現が多いと、説得力が薄くなります。
説明の際には、数字や実例を用いて根拠を示しましょう。
具体的な数字や実例を説明に組み込むコツ
具体的な数字を説明に組み込むコツは、事前調査を欠かさないことです。
説明する前に、市場調査や売上のデータを確認し、話に取り入れられるものはないか探してください。
実例は、例え話を用いる際と同様に、普段からネタを探しておきましょう。
経験豊富な先輩や上司に尋ねてみるのも、おすすめです。
例え話も実例も、「たとえば‥‥」のフレーズを入れることで、使いやすくなります。
相手に伝わりやすい説明をする発声のトレーニング
伝わりやすさには、発声も大切です。
「声が小さい」「早口」といった説明では、聞き取れない言葉が多くなります。聴き手の集中力や理解度を、低下させてしまうでしょう。
発声を鍛えたい方は、ボイストレーニングを取り入れるのがおすすめです。
説明力が身に付く発声のコツ
説明力を高める発声のコツは、以下の2点です。
- 胸を張って、お腹から声を出す
- 口を縦に大きく開ける
お腹から声を出すと、大きく響く声が出せます。
また、口を縦に大きく開くと、喉が開いて声が出やすくなり、早口も解消できます。
ただし、コツが分かっても、説明に集中している際に意識するのは難しいです。意識しなくてもできるようになるまで、ボイストレーニングを繰り返し行いましょう。
自分に注目を集める非言語コミュニケーションのトレーニング
非言語コミュニケーションとは、目線やボディランゲージのことです。
どちらも、日本人の多くが苦手としている分野の能力です。
だからこそ、非言語コミュニケーション能力のトレーニングを行っておくと、説明力で差をつけられます。
説明力に不安のある方は、ぜひ身につけてみてください。
非言語コミュニケーション能力を身に付けるコツ
非言語コミュニケーション能力を身につけるコツは、場数を踏むことです。
特に、大勢を相手にプレゼンやスピーチを繰り返すと効果的です。
社内・社外問わず、スピーチコンテストなどがあれば、挑戦してみてください。
他にも、職場の説明力が高い人の真似をすることも、おすすめです。
身振り手振り、目線の動き、表情などを注意深く観察し、自分の説明に取り入れてみましょう。
説明力のトレーニングを行うべき3つのメリット
ここまで、講師も実践している説明力を鍛える方法を紹介してきました。
本章では、それらのトレーニングを行うべき3つのメリットを紹介しています。
- 上司や取引先からの信頼を得やすくなる
- 部下や同僚に的確な指示を与えられる
- 何度も説明する時間がなくなり業務効率が図れる
最後まで読み進め、説明力のトレーニングを行うきっかけにしてください。
上司や取引先からの信頼を得やすくなる
説明力が高い人は、伝達ミスのない報連相や、魅力的な商談が可能です。
自分の意見や、商品のメリットを分かりやすく端的に伝えられるためです。
反対に、説明力が低い人は、連絡事項のミスや要領を得ない商談をしてしまいます。
そんな人に、「この人に仕事を任せたら安心だ」と思う人はいません。
「仕事をこなしているのに上司や取引先から信頼されない」と不満を抱いている人は、説明力の不足が関係している可能性があります。
部下や同僚に的確な指示を与えられる
部下や同僚に的確な指示を与えられることも、説明力を鍛えるメリットです。
説明力が高いと、要点をまず述べたり、非言語コミュニケーションを活用したりして、重要なことを端的に表現できます。
聴き手は自身に何を求められているのか、すぐに理解できるでしょう。
また、「説明力が高い」=「説得力が高い」です。
部下や同僚が反論したとしても、説得できます。その結果、業務が滞りなく行われれば、周囲からの信頼や、昇進の可能性も向上するでしょう。
何度も説明する時間がなくなり業務効率が図れる
説明力が高いと、一度の説明で聴き手が理解でき業務効率がアップします。これも、説明力をトレーニングするメリットです。
説明力が低い人は、要点を整理せずに話を進める傾向があります。
それでは、なかなか理解してもらえず、何度も説明しなければいけません。
説明力が低いと間違った認識のまま業務を進め、後からトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
説明力のトレーニングは、自身だけでなく、職場や会社全体にもメリットがあります。
説明力のトレーニング必須! 説明力がない人の特徴とは
説明力をトレーニングするメリットを解説してきました。
本章では、現在それらのメリットが得られていない、説明力がない人の特徴を紹介します。
- 話の要点がまとまっていない
- 相手に伝わっているか考えずに自分本位で話す
あてはまる方は、ぜひ、トレーニングを行いましょう。
話の要点がまとまっていない
特に、「結局なにが言いたかったの?」と言われた経験のある人は、その傾向が強いです。
話す前に、話の要点をまとめておきましょう。
しかし、話の要点をまとめているのに伝わらない、という人もいるでしょう。
原因として、要点が多数あることが挙げられます。要点をまとめるとは、一つに絞るということです。
もっとも大切な内容がなにかを考え、要点を一つにまとめてください。
相手に伝わっているか考えずに自分本位で話す
自分本位で話すことも、説明下手な人に共通する特徴です。
「これだけの情報があれば伝わるだろう」といった考えは、後々トラブルを招きます。
説明する際には、聴き手に前提情報や知識がないと仮定して、丁寧に話すことが大切です。
また、感情的に話してしまう点も、自分本位で話す人に多い特徴です。
具体的な数値・実例を用いることで、論理的に説明を進められます。
まとめ:説明力のトレーニングで自分への評価を上げる
今回は、会議で必要な説明力を1人で説明を鍛えるためのトレーニング法をお伝えしました。
説明力を鍛えれば、ミスを減らし、上司や部下・顧客からの信頼を獲得できます。
この記事で学んだ5つのトレーニングを行って、自分の評価を上げてみてください。
最後におさらいしましょう。
【説明力を鍛える自主トレーニング方法】
- 使う言葉が分かりやすくなる「たとえば‥‥」で説明するトレーニング
- 理解しやすい構成で説明できる「構成通りに話すトレーニング」
- 具体的な数字や実例を取り入れるトレーニング
- 相手に伝わりやすい説明をする発声のトレーニング
- 自分に注目を集める非言語コミュニケーションのトレーニング
弊社コミュトレの講師も20年近く日常生活で実践しています。
そして、日常経験から得たヒントをもとに受講生にアドバイスをしていますが、僭越ながら、「その視点はなかった」「大変納得できた」という感想をいただいております。
特に、他人とは違う観点で発想できるようになったので、読者のあなたにも大変おススメです。是非、普段の生活に取り入れてみてくださいね!
📚 説明力を高めるためのコツは、こちらの記事でもご紹介しています
★1人ではうまくトレーニングできない…という方へ
コミュトレでは、何人もの仲間が励まし合ってノウハウを実践しています。ご興味があれば、是非個別体験会にお越しください。
現在、1日先着50名限定で、
無料セミナーを開催しております。
好評のため、予約枠が埋まる可能性がございますので、ご興味のある方は、お早めにお申込みください。
タグ:おすすめ, 中堅・リーダー社員向け, 思考力アップ, 若手社員向け